創業40年のあゆみ
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 東明興業株式会社が創業40周年を迎えられたことを、心からお祝い申し上げます。貴社は廃棄物処理のパイオニアとして建設廃棄物処理を40年間続けてこられ、日本の廃棄物処理の底辺を支えてこられたことに、敬意と感謝の念を抱かずにはおれません。貴社が創設された昭和51年当時は、人口が1億人を超え、廃棄物問題では不法投棄や埋立地不足が叫ばれていたころでした。産業廃棄物排出量では昭和末期には3億トン超え平成に入り4億トンとなり、ごみの減量化やリサイクル運動が叫ばれ、特に建設業から排出される全廃棄物排出量の約20%程度で農業と同等の排出量を占めていた時代です。 一方法制面では、昭和45年の公害国会で清掃法が大幅に改正され「廃棄物処理法」が制定された以後も、不法投棄や違法処分や無許可処理業者が多く、国は事業者の廃棄物処理責任を確実にするため、貴社が創設された昭和51年当時には早くも規制強化を目的とした法改正が行われていました。 このような情勢のなかで貴社は、東京・埼玉を中心とした収集運搬業から始められ、建設廃棄物の処理ルートの開発に力を注ぎながら、昭和53年には埼玉に物流の中継基地となる積替保管施設を、さらに平成元年には埼玉県所沢に総合中間処理工場を開設し、大きな飛躍を遂げていました。中間処理工場開設当時は、まだまだごみを処分するための破砕処理が主であったと思いますが、徐々にリサイクルに向けた施設へと改良を行い、現在のようなリサイクル施設へと変貌を遂げていったのではないでしょうか。この間のご苦労は、想像に絶するものがあると思います。一般の人々は、単に建設廃棄物を集めて、コンクリートがらや木くずなどを分別して破砕選別し、右から左に流しているようにみえますが、廃棄物の中から資源となり得るものを分別し、資材として取り出すのは至難の業です。昭和50年代から平成初期においては、資源を利用する受け手が定まっていない時代であり、どのような資源を取出し、どのような質の物をどのような形態に料理したら食べてもらえるか(利用してもらえるか)手探りの時代であったと想像できます。 貴社におけるこの40年間は、物流の確保や施設の増設と技術の向上など、とても大きな財産を築いてこられたものと思います。しかし、今後は高度成長時代に建設されたガラス張りのビルや新素材を使った家屋などが解体され始めており、新しい素材のリサイクルを可能にする新たなシステムの構築が望まれています。 40周年を機に、貴社が建設廃棄物の新たな時代のパイオニアリーダーとしてご活躍され、業界をリードされることを期待し、今後のご活躍をお祈り申し上げます。3小野 雄策(元)埼玉県環境科学国際センター 研究所企画室長兼 廃棄物 担当部長日本工業大学 ものづくり環境学科教授 博士(工学)創業40周年を祝して ~ 新しい循環型社会の構築に向けて ~()

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